- 2018-12-6
- 建設業
恵那防災株式会社 代表取締役社長 松井 啓史(40歳)恵那市出身
東濃エリアを中心に消防用設備の設計からメンテナンスまで一手に引き受ける、恵那防災(株)代表へお話を伺いました。
「信頼は、基本を大切にする思いから」
防災は24時間365日
昭和54年、消防士だった松井社長のお祖父様が、近隣に消防用設備と防災設備を扱う業者が居なかったため、現在の恵那防災(株)を興しました。
同社の特徴は、24時間365日緊急連絡に対応できる体制を整えていることです。
「台風の時期など湿気が原因による漏電で、消防設備が誤作動を起こすことがあります。消防設備が作動した際は24時間駆けつける体制を整備しています。
以前、顧客から夜間に緊急連絡が来るも、当時、体制が整っておらず対応できなかったことがありました。結局それが原因で顧客が離れたことがあり、とても悔しい思いをしました。このままではいけないと考え、自分が社長になってから社内体制の見直しを行ってきました。
現在は、きめ細かいフォローを心がけ、頻繁にお客様と顔をあわせる機会が増えたことで、信頼を築き、配管工事や電気工事など、他の業務に発展していくことが増えました。」
学校卒業後は名古屋で修行、技術力と経験を蓄える
松井社長は中津川工業高校卒業後、防災設備の知識と技術を習得するため、名古屋の消防設備会社へ就職します。
その後、防災設備と関連性の高い配管工事技術の習得、消火栓工事の技術レベル向上のため、中津川に戻り水道工事会社へ勤務。平成18年、恵那防災(株)社長に就任します。
「現在は東濃エリア全体で、工場・商業施設・福祉施設・学校などの消防用設備点検、屋内・屋外消火栓設備、自動火災報知設備、消火器、避難誘導灯、スプリンクラーの販売設置を行なっています。
これらの消防設備は、6ヶ月ごとのメンテナンスが義務付けられており、当社では、消防設備の設計、施工、メンテナンスまで一手に引き受けています。」
父の死がターニングポイントに
お父様が病気で他界され、会社を継いだ松井社長。
お父様の病気が分かった時、回復への希望を持ち続けて欲しいとの思いから、仕事に関わる一切の引き継ぎをしなかったと言います。
「とにかく会社を、従業員を守っていかねば、という思いでした。引き継ぎを行わなかったので、取引先、顧客対応履歴などの情報不足に加え、世代交代したことで仕事が減っていくのではないか、今までのやり方が変わることで古参の従業員との摩擦が起きるのでは、という不安と悩みで、しばらく夜も眠れない日々が続きました。
同時に、それまで外部の会社で経験を積んだからこそ感じた、社内の技術力、顧客対応能力のスキルアップの必要性を強く感じました。
引継いだ情報が何も無かったからこそ、社内改革に取り組む意を決することができました。」
正直で誠実な仕事がしたい
従業員の技術力向上はもちろん、仕事に対する姿勢にも教育が必要だと考えた松井社長は、社内体制の改革に踏み切ります。その教育内容とは。
「従業員には、会社としての方針を理解した上で、自分から考え行動を起こしてほしいと思っています。
方針とは、「正直な仕事をする」「時間を守る」こうした基本的なことを大事にするからこそきちんと仕事ができる、と言うことです。
我々は、お客様の建物に入り、そこの関係者も入れない場所に入り作業を行う必要があります。お客様より建物のことをよく知っているので、物が無くなったりするようなトラブルは絶対あってはなりません。信頼が第一、基本ができていないと信頼に繋がりません。
また、当社の従業員は作業だけでなく、お客様との対話も大切にしています。信頼関係を築けるよう、相手の目を見て話すことや言葉遣いにも気をつけるよう、指導しています。
不安もある中で始めた社内体制の改革ですが、去っていく従業員もいた一方、私に協力しようとする従業員の姿に気付き、それ以来心がすっと軽くなったのを覚えています。」
このような、仕事への姿勢と高い技術力が全国でも認められ、昨年、日本安全センターから表彰を受けた松井社長。
現在は東海3県の同業者グループでISOの取得に取り組み、自社だけにとどまらず、防災業界の皆で共通のガイドラインを持ち、安心して働ける体制作りに尽力しています。
今の会社があるのは皆が居るから。このメンバーで更なる高みを目指す
従業員には、充実した生活を送ってほしいと語る松井社長。今後の目標について伺いました。
「現在の業務量を維持しつつ、従業員の技術向上と育成に力を入れ、仕事の質と水準を高めていきたい。
従業員を育成する理由は、残業になる業務を時間内に終わらせることができれば、休みを増やし余暇を充実させることもできます。仕事が充実すると休みも充実したものになります。
皆、まだまだスキルアップする余地があるのでこれからが楽しみです。」
次世代を担う若者へのメッセージ
「自分のスキルをよく知った上で仕事を選んでください。
今後更なる技術の進化で、10年後には職人がいなくなるとも言われています。自動化が進む時代ですが、全自動化は程遠くまだまだアナログの力が必要です。自分の適性を分析し理解した上で、視野を広げ、仕事を選んで欲しいと思います。手に職を付けるのは楽しいですよ。自分が楽しい仕事ができる、そんな仕事を見つけて欲しいです。」
最後に、松井社長にとって職人とはどのような人物像なのか、伺いました
「視野を広く持ち、人と対話ができること。相手のニーズに応え、手を掛けお客様が望むもの以上を提供すること。
そして、後片付けがしっかりできること。言葉通りの意味はもちろんのこと、仕事もお客様の満足度も含めて、きっちり収めるということ。また次も頼みたいと思ってもらえるように。
自分の思い描く職人に近づけるよう、まだまだ現場に出て学び続けます。」
基本情報 | |
会社名 | 恵那防災株式会社 |
代表者名 | 代表取締役社長 松井 啓史 |
所在地 | 〒509-7201 岐阜県恵那市大井町2625-40 |
TEL/FAX | TEL:0573-25-4575/FAX:0573-25-6685 |
業務内容 | 消火器・消火栓設備などの防災設備販売・保守・設計・施工業務 |
公式サイト | |
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