レクセント株式会社

レクセント株式会社(グループ会社:有限会社インテックス・ケイ、テクノケイ株式会社)
代表取締役社長 柴田 真希(42歳)多治見出身

GAIA(ガイア)開発・販売による労務支援を行う、レクセント(株)代表へお話を伺いました。

 

「製造業からシステム開発への挑戦、中小企業の力になりたい」

大学は早々に中退、アルバイトに打ち込む

高校を卒業後、大学で法学部へ入学したものの、授業に魅力を感じられず入学から1年後には中退、その後は地元の運送会社でアルバイトを始めます。

「僕には大学がつまらなかったんです(笑)アルバイト先の運送会社では、先輩から働き方の概念を教わりました。ダラダラ長時間働くのではなく、決められた時間内でいかに結果を出すか、という働き方への価値観を教わりました。
その頃、“若いうちに海外へ行って色々見ておきなさい”という父の助言があり、アルバイト代はほぼ海外旅行費へと費やしていました。
また、“観光で行くハワイやグアムなどの国はいつでも行ける、先進国や貧しい国へ行って見てきなさい”という父のアドバイスに従いアメリカやアジアの国々を回り見聞を広めました。」

超多忙な製造現場、経営状況は八方塞がり

レクセント株式会社のグループ会社である製造会社、有限会社インテックス・ケイ、テクノケイ株式会社は、昭和52年に柴田社長のお父様が創業します。
平成15年、お父様から柴田社長が跡を継ぐも、社長就任時の会社の内情はとても厳しい状況でした。

「21歳の頃、父が経営していた製造会社(インテックス・ケイ、テクノケイ)の業務が超多忙になったため、僕も入社し業務を手伝うことになったのですが、大手自動車メーカーからの膨大な業務で多忙を極めており、パート従業員が深夜2時まで働いていたり、社員が70人の工場に70人の派遣社員を雇ったりと、しばらく現場は混沌の体でした。
当時、製造会社の業務内容は100%下請け業務だったため、価格は依頼主のいいなりでした。また、依頼主1社のみの仕事をしていたので、この1社が無くなったら会社は立ち行かなくなる、という状況。しかも、依頼主から指定された資材で指示通りの作業を行うだけの業務は、技術向上の機会も無く、資金も増えず、新たに何か始めようにも人材が不足している、というもはや後がない状況が常態化していました。
入社後、製造現場や品質担当などのセクションを経験し、5年がたった頃、父が急逝します。」

父の跡を継ぐと決めた理由

会社の経営状況は、資金繰りが悪く完全に赤字経営だったと言います。このような厳しい状況下でも、社長へ就任し会社を存続させていくと決めた理由とは。

「父が亡くなった時、幹部社員さんが涙を流しながら『これからどうしよう』と会社の存続を心配してくださった時、心が震え社長を継ぐと決めました。
今まで育ててくださった社員さん達を見捨て、赤字会社を倒産させるという選択肢が消えた瞬間でもありました。」

ターニングポイントは、“かっこいい社長”との出会い

社長へ就任したものの、経営についての知識やノウハウが全く無かった柴田社長。本などから得た知識や手法を実践し、朝誰よりも早く出社してから工場全てのトイレ掃除を行い元気な挨拶で従業員を迎える、「掃除道」の取り組みを実践するなど、試行錯誤を繰り返していた時、ターニングポイントが訪れます。

「NTTドコモに就職した同級生の友人が、転職すると言う話を聞いたんです。正直、その転職は勿体ないと思ったんですが、友人は”この社長のもとで働きたい!”と心から思える社長に出会ったと言うのです。友人が心底惚れ込んだ社長とは、一体どんな方なのか興味がわき、友人の紹介でお会いできることになりました。
その社長とは、設計コンサル会社を経営する岩口社長です。お会いしてみて率直にかっこいいと思いました。それまで、経営者にかっこいいイメージがありませんでしたが、岩口社長はとにかくかっこよかったんです。
岩口社長との出会により、紹介された本や勉強会から経営についてだけでなく、様々な業種、業界について学ぶと同時に、会社や自分の成長のため、社外へ出て積極的に学ぶ姿勢を教わりました。」

今のままではいけない、レクセント起業

岩口社長に会いに行った時が、柴田社長にとって自社以外の会社経営者のもとへ訪れた初めての機会でした。岩口社長の会社で毎月行われている勉強会で、更なる出会いに恵まれ、レクセントの起業へと繋がります。

「勉強会の場で出会った方の一人で、当時信用金庫に勤めていた太田さんと意気投合しました。出会った2ヶ月後には生命保険会社に転職していた太田さんは、もともとやり手の銀行マン。豊富な人脈で、様々な企業の社長さんと繋がっており、面白い会社や、素敵な会社を見つける度、僕を連れて色んな社長さんに会わせてくれたことで、様々な企業の経営者と話す機会に恵まれ、経営についての学びを深めていくことが出来ました。
同じ頃、縁あって多治見の観光大使で文字職人の杉浦誠司さんと出会い、“業種や経営者問わず、人には色んな特技や特性があって、色んな生き方、幸せがある。お互いの違いや個性を認めよう”という、人としても経営者としても、大切な考えを教わりました。
年令問わず、経営者を始めとする人生の先輩の生の声や教えから、ずっと同じ業界・取引先・手法を続けていても未来はない、と肌身で感じるようになり、28歳の時営業とマーケティングの会社、レクセントを立ち上げます。」

時代遅れな労務管理に切り込む、GAIA誕生

製造業に特化していた頃は、営業という概念すら無かったため、いざ営業を始めるとお客様から様々な要望を持ち込まれるようになります。
特に多かったのが、当時法改正の影響からも需要が多かった派遣業でした。このニーズに対し柴田社長は、派遣での業務が無くなっても社員が働く場を失わないよう、自社社員の出向と言う形で対応しますが、数年後には派遣業自体から撤退します。

「当時はお客様からありとあらゆる要望を受けたことで、会社の成長戦略がうまく組めず、伸ばしていくべき分野が不明瞭になってしまった時期もありましたが、そんな時代を経て、現在は“労務管理システムGAIA”をメインの商材として力を入れています。」

柴田社長がソフト開発にシフトした理由は、インテックス・ケイ、テクノケイの2社を含め、製造業が全くIT化されていないことによる、不便さや余計なコストを少しでも削減したいという思いから。そこで柴田社長がメスを入れたのは、労務管理の分野でした。

「タイムカードの大手メーカーで、タイムカード打刻機など一式当時約150万円かけて購入していました。勤怠管理というお金を産まないものに、5年毎にまた150万円位の請求が来るんです。中小企業で労務管理にそれだけの支出をするのは、本当に厳しいです。
当時の副社長がプログラミングを得意としていたので、“だったら自分たちで作ろう”と思い立ち、社内の勤怠管理システムを作ることになりました。」

アイデアのプラットフォームで、中小企業をサポート

私たち人間の行動だけでなく、様々なモノや機械の動きは、常に膨大な情報を生成しています。センサーや通信機能を通しこれらの情報をインターネット経由で収集、可視化することで、様々な問題を解決し、世の中の利便性向上への仕組みづくりとして期待されているIOT。
しかし、実際のところ製造業を始めIOTにお金をかけられる企業は少ない、と話す柴田社長。

「労務管理システムGAIAは、専用機器不要でソフトだけで運用できます。中小企業の財務の負担を抑えながら、少しずつIT化に慣れて行くことが出来ます。
介護業界では1日に何度も打刻する必要があったり、会社に出勤するのではなく出先で打刻したりと、会社や業種業態によって働き方は様々です。GAIAはソフトなので、常に柔軟に対応できるようバージョンアップさせています。
しかし、GAIAの機能はこれだけではありません。僕がGAIAを通して力を入れていきたい分野は、スタッフ教育とアイデアの蓄積です。GAIAを、導入企業様のちょっとした知恵や業務改善案をシェアしあえるプラットフォームにすることで、従業員の気づきと考える力を養い、中小企業の成長を長期的かつ持続的にサポートしていきたい、という想いからGAIAを制作しました。
今後は有給管理も増えるので、まずはGAIAで勤怠管理コストを削減し導入企業様の社内簡易プラットフォームとして使ってもらいたいと思っています。」

経営者同士学び、助け合える関係作りに尽力

型にはまらない自由な発想と持ち前の積極性で、困難を乗り越えながら会社を健全経営へと導いてきた柴田社長。今後の目標について伺いました。

「労務管理システムGAIAを、まずは1万人の人に使ってもらうことです。
そして製造会社を10億円企業にしたい。製造業は伸び率が鈍い業種ですが、スタッフの働き方を改善しやる気を引き出す教育に力を入れていきたいと考えています。」

空き時間を有効活用したスタッフ教育と、様々な企業が蓄積した知恵やアイデアをGAIAを通しシェアすることで、中小企業の持続的なサポートと成長に繋げていきたい、という柴田社長の想いで誕生し進化を続けるGAIA。
ジャンルは違えど、根底にあるこの想いは、地元の経営者を支え励まし合う関係性づくりにも現れています。

「多治見市の中小企業同友会の東濃地区会長を務めています。会では若い経営者も多く、皆で学び合っています。今後は更に会の関係性を強くし、和を広げ濃密な人間関係で地区の経営者同士助け合えるようにしていきたいです。
というのも、国内の自殺理由の半分はお金が原因。経営者は孤独なので、1人で考え込んでどんどん考えが狭まり、息詰まり、結果自殺へと繋がってしまいます。
色んな会社を経営している色んな仲間がいれば、色んな苦労があり、色んな対策ができます。信じて学んで助け合える仲間が経営者には大事だと思います。そして、お金で死を選ぶ人をゼロにしたいと思っています。
良いことばかり言うのが仲間じゃない、叱ったり励まし合ったりと、関係性を深めていきたいです。」

次世代へのメッセージ

年を重ねると、知らないこと、場所、人、考えに対し消極的になってくるもの。自分の中の常識に囚われず常に挑戦し続ければ、出来ることや考えの深みが増し、可能性が広がるのだと語る柴田社長。次世代を担う若者へのメッセージとは。

学歴やお金など、○○が無いからダメ、ではなく、無いからやってみよう!の精神で。

普段自分がしないようなこと、未知へ挑戦する勇気を持ってほしい。挑戦して失敗するのはかっこいい。挑戦せず、逃げ慣れる人生は送ってほしくないです。
僕は自分の頭で計算しないようにしています。僕が見ている世界でのジャッジは、今までの自分の常識の範囲内でしか考えられないこと。
会ったことない人と出会うことで自分の常識や考えが広がるのに、こんな小さなときの常識で行く行かない、利益が有る無い、と考えたって、そんなのは自分の可能性を潰すだけです。
僕に、人とのご縁が大切だと教えてくれた3人との出会いがそれを物語っています。今までご縁に恵まれてここまでこられました。
だから僕は、誘いに対して用事がなければ、必ず答えはYES!です。」」

基本情報
会社名 レクセント株式会社(グループ会社:有限会社インテックス・ケイ、テクノケイ株式会社)
代表者名 柴田 真希
所在地 〒507-0065 岐阜県多治見市根本町1-66 テクノ・ケイビル4F
TEL/FAX TEL:0572-20-1805 / FAX:0572-20-1806
業務内容 労務管理システムGAIA(ガイア)開発・販売による労務支援
公式サイト https://rexcentcorp.wixsite.com/rexcent

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