共栄液化ガス株式会社

共栄液化瓦斯(ガス)株式会社 代表取締役社長 小栗 仁志(51歳)中津川市出身
岐阜県中津川市・恵那市を中心に、家庭や企業、約14,000戸へプロパンガスを供給している、共栄液化ガス(株)代表へお話を伺いました。

 

「皆が幸せになることが企業の存在価値“四方共栄”を目指して」

老舗小栗屋の事業を継ぐため東京で研鑽を積む

小栗社長の生家は、江戸時代、中山道宿場町の呉服屋から始まった「小栗屋」で、代々この土地で事業を営む、歴史深い家柄の次男として生を受けた小栗社長。
老舗という家柄に生まれた自己の目標を明確にするため、また、地元では得がたい見聞を広めるため、高校を卒業後は東京の大学へと進みます。

「大学卒業後は家業を継ぐことも視野に入れ、ガスの元売り企業である三菱液化ガス株式会社(現在のアストモスエネルギー株式会社の前身)へ入社しました。
そこで、ガスの輸入から小売まで一連の流れを学び、家業と同じようなガス卸・小売業の販売店へと出向し、販売店のノウハウを習得しました。6年経過した頃、家業を継ぐため中津川へ戻りました。」

共栄液化瓦斯株式会社の成り立ち

呉服屋から始まった小栗屋は、時代のニーズと共に事業形態を変化させ、明治時代から昭和初期までは、(小栗仁志社長祖父の代まで)和菓子屋さん向けの砂糖・小麦・小豆などと共に、炭や薪などの燃料を取り扱う雑品商を営んでいましたが、時代の移り変わりとともに燃料は炭や薪から石油・ガスへと変化を遂げます。

「当時、祖父と父が先頭に立ち、既にガスの小売を始めていた近隣の商店と費用を出し合い、ガスの卸・小売を行う“共栄液化瓦斯株式会社”を設立しました。ガソリンスタンド事業の「小栗屋」は、現在兄が8代目を継ぎ、LPガス事業は、祖父・父が非常勤で代表を務めていましたが、平成21年に私が初めて常勤の代表として跡を継ぎました。」

経営理念策定がターニングポイントに

小栗社長が社長職に就任した当時、社内の雰囲気は決して良いとは言い難い雰囲気だったと言います。
あいさつもしない、朝礼もしないのが当たり前。なんとか雰囲気を明るくしよう、自分が社長になったのだから、あいさつ・朝礼・掃除をしようと試行錯誤するも、思うようには行かなかったようです。

「ちょうどその時、同業の尊敬する社長から、『経営理念はあるのか?』と問われたのです。その時初めて、取り組んで行きたいことはあっても、理念が無いことに気付きました。経営理念が無いと言うことは、組織が目指す方向や指針が無いと言うこと。社内の良い雰囲気作りが難航していたのは、これが原因だったのでは、と合点がいきました。
今思えば、『経営理念はあるのか?』の問いかけが、現在の自分に繋がるターニングポイントでした。」

経営理念を社内に浸透させる方法とは

経営理念や行動指針を設けても、それを会社全体に浸透させるのは容易ではない。小栗社長が考案した手法とは。

「トップダウンでやらせた取り組みは長続きしない、であれば社員皆で話し合えば良いのでは・・・と閃き、経営理念を設けると同時に、社内で3つのワーキンググループを作りました。
〈顧客満足〉〈従業員満足〉〈地域貢献〉の3つのグループは、部署の垣根を超えたメンバーで構成され、経営理念に基づきワーキンググループ内で取り組むことを決めていく。どうすれば会社が良くなっていくのか、社員が自分たちで考え発信していく仕組みを作りました。
また、ワーキンググループで話し合って決めた取り組みに対し、会社はNOと言わない、決めた取り組みには、全社員一丸で力を注ぐと決めました。」

数多くの取り組みを実行し見守ってきた小栗社長、これまでの取り組み内容の一部を伺いました。

「〈顧客満足グループ〉は、お客様向けに季刊誌かわら版を発行し、社内の取り組みやお客様の店舗など、お得な情報を紹介しています。また、バレンタインデーには、宅配便、郵便屋さんなど、来社した全ての人へ日頃の感謝を込めてバレンタインチョコを渡しています。
〈従業員満足グループ〉は、勤続永年表彰制度や、記念日お祝い制度(お花贈呈)を設けました。
〈地域貢献グループ〉は、ペットボトルキャップ回収(お祭りやお取引先から)年間約3万個収集し、地元の小学校へ寄付しています。

自分たちで考えた取り組みなので、やらざるを得ないというのもありますが、社内コミュニケーションの円滑化には役立っています。
社内のコミュニケーションが円滑な方が社内の雰囲気が良くなるので、飲みニケーションも、会社としてサポートしています。ワーキンググループごとや部署ごとなどの飲み会は、全員参加という条件はありますが、一次会の費用は会社で負担しています。
例えグチでも、お酒の席というプライベートな空間でさえ、会社の話題で盛り上がってくれるのは、会社としてはありがたいことだと思っていますし、会社で同僚と過ごす時間は長いので、少しでも居心地良く働いて欲しいという思いから始めました。」

職場改革後の変化とは

小栗社長の、トップダウンとボトムアップのバランス感こそが、職場改革の重要な要素と言えます。バランスを取り続けるため、迷ったり行き詰まったりした時には、『四方共栄』という経営理念に基づいた行動指針に立ち返ること意識しているのだそうです。
そんな小栗社長の行なってきた職場改革は、どの様な変化をもたらしたのでしょうか。

「10年前の社長就任時の雰囲気と比べると、現在は、社内コミュニケーションが円滑になり、明るく風通しの良い雰囲気になったと思います。皆の協力もあり、経営理念と行動指針が社員に浸透し、結果、社員の定着率が高く、また社員旅行など社内イベントごとへの参加率も、高くなりました。」

”ここで働けて良かった”と思える会社づくりを目指す

時代を先読みし、柔軟に対応することで、会社を健全経営へと導いてきた小栗社長。今後の目標について伺いました。
「死ぬ間際に、社員やその家族からも“ここで働けてよかった”、また、社員が自分の子供にも“就職させたい”と思うような会社作りをしていきたいと考えています。数字的なものより、お客様の安心安全な暮らしを支えていくこと、今後は見守りなど、多角的に地域に寄り添いながら役に立てることを、探し続けていきたいと思います。」

次世代を担う若者へのメッセージ

あなたの決断は間違っていない、前進あるのみ。
人生は、自分で決めて行ったことの繋がりで出来ています。判断に悩んでも、何かしらの決断をしなければいけない。その時、どんな決断をしたとしても、決めたことは間違っていません。後悔してもキリがありません。自分の判断は正しかったのだと思い前を向いて進めばその判断は正しくなる、くよくよせず前進あるのみです。」

基本情報
会社名 共栄液化瓦斯(ガス)株式会社
代表者名 小栗 仁志
所在地 岐阜県中津川市千旦林814番地の2
TEL/FAX TEL:0573-68-2181/FAX:0573-68-2182
業務内容 家庭用・業務用・工業用 液化石油ガス販売、ガス器具販売、暖房・冷房・冷暖房機器販売、家電販売、おいしい水宅配、家庭用・業務用・集団供給、LPガス配管工事、ユニットバス・キッチン等住宅設備機器販売、ユニットバス・キッチン等住宅設備機器設置工事、管工事業(上下水道施設工事)、電力販売、等
公式サイト http://kyoei-gas.co.jp/

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