株式会社加藤製作所

株式会社加藤製作所 代表取締役社長 加藤 景司 中津川市出身
岐阜県中津川市のプレス板金部品の総合加工メーカー、(株)加藤製作所 四代目代表へお話を伺いました。

 

「働くことは生きることそのもの」

大学卒業後、モノ造りに関わる一連の業務を経験する

1888年(明治21年)、岐阜県中津川村の鍛冶屋「かじ幸」から始まった加藤製作所。刀鍛冶職人の精神を受け継ぎながら、時代のニーズや社会の変化に合わせ、自動車製品、家電製品などの製作により、発展を続けてきました。

加藤社長は、名古屋の大学を卒業後、修行のため岐阜県内の自動車メーカに就職し、“世界のモノ造りを変えた”といわれたトヨタ生産方式を学び取り、更にその後、総合家電メーカーで海外駐在員として勤務。輸出入管理、資材購買、経理業務など、経営に必要な経験を習得します。
加藤製作所には、平成元年に入社、専務取締役を経て、入社から15年経った2004年5月、加藤製作所四代目社長に就任します。

失敗から学ぶ、会社・社員を守ると言うこと

専務当時、加藤社長が担当した案件で会社に大きな仕損を出してしまいます。
お客様との信用問題、生産体制のキャパオーバー、人材不足、損益悪化、次々に襲いかかる困難に、加藤社長はどのように立ち向かっていったのでしょうか。

「それまで受けた仕事の中でもボリュームが大きく、また難易度の高い仕事でした。生産が追いつかず納期が間に合わない、お客様に迷惑をかけ、信用失墜の危機に陥りましたが、採算度外視で生産ラインを土日昼夜問わず稼働させ、最後までやり切りました。
苦しい思いをしましたが途中で投げ出さず最後まで誠心誠意やり遂げたことで、お客様からの信用を回復することができました。
この時、会社に対して赤字を出してしまい、利益確保の重要性を実感しました。なぜなら、利益を確保し、社員とその家族を守る必要があるからです。社員の人間的な成長を促し、社会貢献をして行かないと企業は残っていきません。収益を上げることは結果を出すということ。会社と社員を守っていくためには、財務の面でも強くなることが重要です。
この失敗の経験から、受けた仕事は最後までやり遂げること、そして必ず収益を出すことが、自分への戒めとなりました。」

シニアから教えてもらった、働くことは生きること

加藤製作所は、国産旅客機MSJ(三菱スペースジェット)の部品製作に携わり、今や日本を代表する技術開発企業でもあります。
四代目として受け継いだ会社をさらに盤石な体制にするため、今後の目標を伺いました。

「経営理念「喜びから喜びを」、経営ビジョン「日本のモノ造りの礎となる」と言う想いを次世代へ伝えていきます。小さな存在ですが、私たちが作るものが大きく社会の役に立ち、それを作る人たちがモノ造りを通じて、自分の仕事に対するプライドや誇りを持てるような、そんな仕事でありたいと思っています。
先述の失敗を経験した2001年から始めた高齢者雇用で、働くことは生きることそのものだと、働くことがどれだけ人間の生きる糧となるか、シニアから教えてもらいました。老若男女問わず、この会社を通して働く生きがいを感じて、物心両面で多くの人に幸せになってほしいと思っています。

そして、130年が150年、200年と続く企業にしなくてはいけません。そのために1番大切なのは人財、人づくりです。その次に財務、しっかりと儲かる会社を作り、積み重ねたノウハウを次の世代に繋げていく。自分の代でより質の良い会社にすることで、それを糧に次の世代が更にステップアップしていって欲しいと思っています。」

創業以来1年に1本剣を製作

「創業以来1年に1本剣を作っており、今年で131本目となりました。
村の鍛冶屋から始まった当社は、この伝統行事を通し、現在までものづくりへの想いを引き継いでいます。
積み重ねられてきた技術や伝統を、次の代へと継続させていく責任の重さを感じますが、131本続けてきた“もの”が、これまでの想いや歴史を物語っています。継続は簡単なことではありません、100年続くのにはそれなりの理由があります。今度は社長となった自分が、次の代へと伝えていきたいと思っています。」

次世代へのメッセージ

働く喜びを感じられる仕事を見つけてください。それは今目の前にあること、今あなたがやっていることです。
今の仕事に意義を見つけ、喜びや意味を見出してください。一人でここまで来られた訳ではなく、色んな人の支えがあって自分がいる、その思いやりを感じ取れるように。苦しみから逃げないで。面白み、やりがい、成長を見つけ、そのあとにお金がついてくるのです。
苦楽や損得ではなく、善悪で判断し、誰が喜ぶかを考えて行動してみてください。」

基本情報
会社名 株式会社加藤製作所
代表者名 加藤 景司
所在地 〒508-0011 岐阜県中津川市駒場447番地の5
TEL/FAX TEL:0573-65-4175/FAX:0573-65-4177
業務内容 家庭電気器具部品、自動車部品、騒音防止機器(防音壁、消音機)、航空機部品の製造等
公式サイト http://www.katog.co.jp/index.html
求人サイト http://www.katog-recruit.com/

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